IL-23を選択的に阻害するヒト化IgG1モノクローナル抗体
米アッヴィ社は4月30日、全身療法が適応となる中等症から重症の成人尋常性乾癬患者の治療薬として、「スキリージ(R)」(一般名:リサンキズマブ)が欧州委員会(EC)の承認を取得したと発表した。今回の承認に基づき、欧州連合の全加盟国、アイスランド、リヒテンシュタイン、およびノルウェーでスキリージの販売が可能になった。
乾癬は慢性疾患で、患者は世界全体で1億2500万人にのぼる。多くは治療目標が未達成、または治療効果が徐々に消失する。スキリージは、IL-23のp19サブユニットに結合し、IL-23を選択的に阻害するよう設計されたヒト化免疫グロブリンG1(IgG1)モノクローナル抗体。今回スキリージ(150mg)は、投与開始時、4週後、以降12週間隔での2本の皮下注射による投与が承認された。
12週ごとの投与により、症状消失効果は1年後も持続
スキリージがECの承認を取得する根拠となったデータは、2,000名を超える中等症から重症の尋常性乾癬患者を評価したultIMMa-1試験、ultIMMa-2試験、IMMvent試験、およびIMMhance試験という4つのピボタル第3相試験の成績。4つの試験のいずれも、16週時における乾癬の皮疹面積・重症度指数の90%以上の改善(PASI 90)および医師による静的総合評価指標(sPGA)スコアの「消失」または「ほぼ消失」(sPGA 0/1)を主要評価項目とした。
その結果、いずれの試験でも標準治療薬を投与された患者と比較して皮膚症状消失達成率が有意に高まった。また、消失効果は12ごと毎の投与により、1年後も持続するなど、スキリージは尋常性乾癬の徴候および症状を長期的に軽減させる可能性があることが示唆されたという。
なお、スキリージは、ベーリンガーインゲルハイム社とアッヴィとの業務提携の一環で開発され、アッヴィが世界規模でスキリージの開発と販売を主導するとしている。
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・アッヴィ合同会社 プレスリリース