国内製薬大手4社の2019年3月期決算が出揃った。第一三共は、主力品の降圧剤「オルメサルタン」の特許切れに直面して減収となったものの、武田薬品、アステラス製薬、エーザイの3社は増収で着地した。武田は、シャイアー買収関連費用で大幅減益となったが、3カ月分の旧シャイアー製品売上を計上し、売上高は2兆円を突破。アステラスは抗癌剤「エンザルタミド」、エーザイは抗癌剤「レンビマ」が全地域で成長し、主力品がグローバルで拡大。海外展開が加速し、薬価制度の抜本改革でマイナス成長となる国内市場の影響を跳ね返した。今期は武田が巨額の最終赤字を計上し、アステラスが二桁減益となる見通し。
表:国内製薬大手4社の2019年3月期決算
売上高を見ると、武田は3カ月間の旧シャイアー製品が連結対象に加わり前期比19%増の二桁成長。シャイアー製品を含まない決算では、グローバル製品の伸長で1%増となった。医療用医薬品の海外売上収益では5.6ポイント上昇し、75.0%となった。