厚労省は、全国的に把握すべきKPIとして、▽患者の服薬情報の一元的・継続的把握のために、電子お薬手帳または電子薬歴システム等、ICTを導入している薬局数▽在宅業務を実施した薬局数(過去1年間に平均月1回以上)▽健康サポート薬局研修を修了した薬剤師を配置し、その薬剤師が地域ケア会議など、地域の医療・介護関係の多職種と連携する会議に出席している薬局数(過去1年間に1回以上)▽医師に対して患者の服薬情報などを示す文書を提供した実績がある薬局数(過去1年間に平均月1回以上)――を設定した。
KPI4項目の取り組み状況を把握するため、昨年11月から今年1月にかけて全国5000薬局を対象に調査(回収数2006件)を実施した。その結果、電子お薬手帳の導入薬局は13.2ポイント増の48.1%と取り組みが進んでいることが分かった。
電子薬歴システムの導入薬局は3.0ポイント増の73.9%、電子お薬手帳、電子薬歴システムの両方またはいずれかに対応している薬局は2.8ポイント増の78.6%だった。また、電子お薬手帳、電子薬歴システムの両方に対応している薬局は42.8%で、昨年度から12.9ポイント増えた。
在宅業務を行っている薬局は、1ポイント増の55.0%で、これまで健康サポート薬局研修を修了した薬剤師が地域ケア会議等に参加した薬局は6.0ポイント増の20.3%、これまで医師に対して患者の服薬情報等を示す文書を提供した実績がある薬局は2.1%増の47.1%だった。
同委員会は、在宅業務の調査結果について、「1店舗当たりの薬剤師数が多いほど、また同一経営主体による店舗数が多いほど、在宅業務を実施している薬局が多くなる傾向がみられた」と分析。
現状では、「薬局にある程度の規模がないと在宅業務の実施が難しい状況にあると捉えることもできる」としながらも、調査結果からは薬剤師数が1人の薬局や同一経営主体による薬局店舗数が1店舗の薬局でも、実施している薬局が一定数存在することも把握されていることから、「小規模な薬局で在宅業務を行うことは不可能とは言い切れず、地域で他の薬局と協力するなどして、在宅業務を推進することが期待される」とした。