がん細胞のPD-L1を測定する免疫染色用検査キット
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は5月9日、がん組織または細胞中のPD-L1発現率の測定に用いられる検査キット 「ベンタナ OptiView PD-L1(SP263)」を、2019年5月10日に発売すると発表した。対象は、切除不能な局所進行非小細胞肺がん。同キットは、PD-L1阻害剤デュルバルマブ(遺伝子組換え)の投与前検査として、製造販売承認を取得している唯一の検査キット。
ベンタナOptiView PD-L1は、がん組織、細胞中に発現するPD-L1タンパク質を測定する免疫染色用の検査キット。切除不能な局所進行の非小細胞肺がん患者に対して、デュルバルマブの適切な投与を行う際の判定補助を目的として、2019年3月20日に製造販売承認を取得している。
全自動染色のため煩雑な手技は不要
同キットは免疫組織化学(IHC)法を測定原理とし、ベンタナ ベンチマークシリーズの自動免疫染色装置を用いて染色を行う。全自動染色のため煩雑な手技は必要なく、効率的で迅速な結果報告が期待できる。
デュルバルマブの「最適使用推進ガイドライン」(厚生労働省、平成30年11月改訂版)では、「5.投与対象となる患者」の欄に「PD-L1発現率も確認した上で、本剤の投与可否の判断をすることが望ましい」ことが記載されている。この根拠となった国際共同第3相試験(PACIFIC試験)におけるPD-L1発現率は、同キットを用いて検討されている。今後、同キットがデュルバルマブの投与前検査において、患者の適切な治療のために貢献できるとして期待が寄せられる。
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・ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 プレスリリース