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【厚労省】「オプジーボ」に死亡例、添付文書改訂を指示-下垂体機能障害の副作用

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2019年05月13日 AM11:30

厚生労働省は9日、小野薬品の抗癌剤「ニボルマブ(遺伝子組み換え)」(販売名:オプジーボ点滴静注)に重大な副作用として死亡例が見られたことなどから、添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう製造販売業者に指示した。

オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同240mg)については、「重要な基本的注意」の甲状腺機能障害に関する記載の項に下垂体機能障害、副腎障害に関する注意喚起を追記するほか、「重大な副作用」の項に「下垂体機能障害」を追記するよう指示。

国内における直近3年間の副作用症例の集積状況によると、下垂体機能障害関連症例が76例報告され、そのうちオプジーボとの因果関係が否定できない死亡症例が1例含まれることから、専門家の意見を踏まえ、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

また、エーザイの抗癌剤「レンバチニブメシル酸塩」(レンビマカプセル4mg、同10mg)については、重大な副作用の項に「間質性肺疾患」を追記する。同疾患に関する国内症例が11例報告され、死亡例が4例含まれていることから、改訂が適切と判断した。

日本イーライリリーの糖尿病治療剤「デュラグルチド(遺伝子組み換え)」(トルリシティ皮下注0.75mgアテオス)は、重大な副作用の項に「重度の下痢、嘔吐」を追記する。重度の胃腸障害関連症例が7例報告され、これら症例の中には脱水が続き、急性腎障害に至った症例も確認されていることから、改訂を決めた。

「インフルエンザHAワクチン」(「KMB」=KMバイオロジクス、「第一三共」シリンジ0.25mL、同0.5mL、同1mL=第一三共、「生研」=デンカ生研、「ビケンHA」、フルービックHA、同シリンジ=阪大微生物病研究会)に関しては、「重大な副反応」の皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)の項に「急性汎発性発疹性膿疱症」を追記する。同疾患に関する症例が1例報告されたことから、改訂が適切とした。

「イプラグリフロジンL-プロリン」(スーグラ錠25mg、同50mg=アステラス製薬)、「エンパグリフロジン」(ジャディアンス錠10mg、同25mg=日本ベーリンガーインゲルハイム)など、糖尿病治療剤9品目については、重要な基本的注意の尿路感染、性器感染に関する記載の項に、外陰部および会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)に関する注意を追記する。重大な副作用の項には、「外陰部および会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)」を追記することとした。

外陰部および会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)の関連症例が、エンパグリフロジンで1例確認されたことや、海外でSGLT2阻害剤の服用後に同疾患の発現が見られたことなどを踏まえ、改訂が適切とした。

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