■機器・体診部会で報告
LHキットは、排卵予測日の補助を目的に尿検体を用いて黄体形成ホルモンを検出するが、ガイドラインでは避妊目的での使用を禁じており、販売条件として販売後2年間は適正使用調査の実施を義務づけている。今回の報告書は、日本臨床検査薬協会が2016年11月から2年間にわたって購入者と販売店にアンケートを行い、調査結果をまとめたもの。
使用者に対する調査結果では、避妊目的で購入したのは2069件中6件(0.3%)で、適正使用を目的に購入した人がほとんどだった。また、薬剤師による情報提供は2055件中1724件(83.9%)で実施されており、販売1年目の調査結果をまとめた中間報告の84.2%を下回った。
医師の診療が必要な結果は1969件中498件(25.3%)で、このうち医師の診療を受けようと考えている人の割合は66.7%だった。
販売店に対する調査結果を見ると、避妊目的に使用しないよう初回購入者に説明したのは3125店中2521店(80.7%)で、購入履歴がある人に対して同様の説明をしたのは2900店中1751店(60.4%)だった。
最も説明割合が高い項目は「検査のタイミング」で、初回購入者に対しては3119店中2997店(96.1%)が説明を実施していた。
また、情報提供を行わなかった理由として、時間的制約や、デリケートな内容のため他人の前で説明できなかったことなどが挙げられている。
報告書の公表を受け、渡邉和久委員(日本薬剤師会常務理事)は「検査結果によって、診察を受けている数字が出ているので、一般用薬の目的が達成できているのではないか」とした一方、「まだ薬剤師の情報提供が至らない点がある。説明用資材を十分に活用し、今後の適正使用に努めたい」と述べた。
厚労省は、医薬品等安全対策部会でのリスク区分の検討結果も踏まえ、販売店における説明の徹底など、適正使用に必要な対応を検討するとしている。