岐阜薬科大学が4年制の薬科学科を廃止し、6年制薬学教育に一本化する「新6年制」をスタートさせて3年が経過した。国公立大学として全国に先駆けて研究に重きを置いた新6年制教育を開始し、大きな決断で注目を集めたが、今年度から大阪大学薬学部が国立大学で初めて6年制一本化に踏み切るなど、他校が追随する流れも作られつつある。稲垣隆司学長は、「6年制一本化により学生の質が明らかに上がった。これは目に見える成果だ。社会人の大学院生も増えており、社会でも研究のニーズが高まってきている」と手応えを語る。今年度は新6年制の3回生が初めてコースを選択する。研究者を目指す創薬育薬コースに進学する学生の動向が大きな試金石となりそうだ。
■コース選択が試金石に
6年制薬学教育がスタートし、臨床に強い薬剤師の養成が大きな目的とされる一方、学力・研究力の低下や大学院生の減少など様々な問題も指摘されてきた。岐阜薬大は、こうした6年制薬学教育の問題を解決するためには、「研究に重きを置く新6年制しかない」(稲垣氏)と判断。4年制課程の学生に薬剤師国家試験の受験資格を特例で認める経過措置が2018年度で終了することから、全国に先駆け4年制を廃止して6年制一本化に踏み切った。