日本CSO協会は17日、2018年の国内で稼働するコントラクトMR(派遣MR:CMR)数が11.5%減の3110人となったと発表した。全MRに占める比率では前年より0.6ポイント減の5.0%と大きく低下。製薬業界の営業組織再編に加え、薬価制度の抜本改革もあり、昨年調査に続き2年連続の大幅減となった。ただ、今年2月時点での最新調査結果ではCMR数は3315人と増加に転じている。阿部安孝会長は、17日に都内で開催した活動報告会後の記者会見で、「製薬企業の人員調整が一段落し、受注が回復基調に進むのではないか」と分析。今後は増加に向かうと予想している。
CSO市場は、14年のCMR数4148人をピークに、縮小傾向となっている。MR1500人規模の大手企業が活用するCMR数は、1196人から757人と前年からの下げ幅で最も大きく、1社当たりの平均活用CMR数は85人から47人とおよそ半数に縮小した。阿部氏は、「CMRの活用数が多い企業が減少要因になった」と振り返った。
ただ、2月に実施した追加調査結果では、製薬企業の新薬需要や人件費を調整弁として変動費化する傾向から、昨年10月比6.6%増の3315人と増加に転じ、全MRに占めるCMR比率も5.3%に上昇した。減少傾向にあったMR1500人以上の企業における活用CMR数も増加していた。
18年のCSO活用企業数は、前年より14社多い過去最高の130社となった。MR数1000人以上の活用企業数には変化はなかったが、MR数500~1000人、500人未満の中小企業で増加した。製薬企業のスペシャリティ領域での拡大に加え、医療機器や診断薬、OTC医薬品メーカーなどヘルスケア企業で裾野が広がっている。
一方、CSOの活用目的では、「主力品強化」が60%、「欠員補充」が55%と上位を占め、3位には地域包括ケア対応の一環として、地域密着型の営業体制を目的とした「エリア強化」が18%となった。ダイバーシティへの対応から「産休対応」が昨年7位から5位に浮上したほか、調剤薬局強化」や「ジェネリック医薬品普及」といった活用目的も伸びている。
阿部氏は、「昨年10月時点からCMR数が200人くらい回復し、外資系企業は2年前から始めた人員調整が終わって、CMRを活用する動きが出ているのではないか」との見方を示した。