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異性間性交渉、過去20年で18~39歳の未経験割合が増加傾向に−東大

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2019年04月10日 PM01:00

1987~2015年の出生動向基本調査から算出

東京大学は4月8日、1987~2015年の間に実施された出生動向基本調査のデータを分析し、過去20年間で、異性間での性交渉を経験したことが無い人の割合が増加傾向にあること明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院医学系研究科の渋谷健司教授(研究当時)らの研究グループによるもの。研究成果は、日本時間で同日、「BMC Public Health」に掲載された。

日本は、世界で最も出生率が低い国の一つ。その理由として成人における性交渉未経験の人の割合が増えていることが示唆されているものの、国民全体を代表するデータでの調査研究はこれまで行われていなかった。研究グループは、1987~2015年の間に実施された合計7回分の出生動向基本調査(18~39歳の成人を対象、1987年の調査のみ18~34歳が対象、サンプルサイズは1万1,553~1万7,850名[1987~2010年]、回答率は70.0~92.5%)のデータを使用し、性別・年齢グループ別の年齢調整異性間性交渉未経験割合を算出した。異性間性交渉の定義は、異性との性交渉経験の有無に関する回答とした。加えて研究グループは、2010年調査において、異性間性交渉未経験に関連する要因を同定するために年齢調整を行い、ロジスティック回帰を用いた重回帰分析を行った。

男性は無職、時短・非正規雇用、低収入が未経験と有意に関連

その結果、1992~2015年の間において、18~39歳の成人における年齢調整異性間性交渉未経験の割合は、女性では21.7%から24.6%に(p値<0.001)、男性では20.0%から25.8%に増加していた(p値<0.01)。30~34歳の年齢層では、年齢調整異性間性交渉未経験の割合は、1987~2015年の間で、女性では 6.2%から11.9%へ(p値=0.4)、男性では8.8%から12.7%へ増加していた(p値=0.2)。35~39歳の年齢層では、女性ではその割合は1982年には4.0%だったのが、2015年には8.9%に増加していた(p値<0.05)。男性では有意ではないが5.5%から9.5%への上昇だった(p値=0.4)。25~39歳の男性では、無職、時短・非正規雇用、および低収入が異性間性交渉未経験と有意に関連していた。

性の健康や性への満足は人間が健康に、幸福にそして人生に満足して生きていくために必要な要因。また家族や婚姻関係の多様化が進む現代にあっても、異性間での性交渉が人間における生殖(妊娠・出産)の基本的な方法であることには変わりはなく、性交渉未経験の人口が大部分になれば、それは出生率にも影響し得る。今回の研究からは、過去20年の間に異性間性交渉の経験が無い人の割合が増えたことが明らかになったが、その要因や、増加する異性間性交渉未経験者の割合が少子化やその他公衆衛生に及ぼし得る影響については、今後さらなる研究が必要だと研究グループは述べている。

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