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スマート治療室のハイパーモデル、東京女子医科大学本院内で臨床研究開始-AMEDら

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2019年04月05日 PM12:15

手術の精度と安全性を向上させる「

)は4月3日、東京女子医科大学本院内に「スマート治療室」を設置し、臨床研究を開始したと発表した。これは、2016年の「ベーシックモデル」(広島大学)、2018年の「スタンダードモデル」()に続く、第三世代のスマート治療室「ハイパーモデル」となる。


画像はリリースより

手術室等の現場では、多種多様な医療機器・設備から発生する膨大な情報を、医師やスタッフが限られた時間内に判断しつつ治療を行っているという現状がある。

そんな中、東京女子医科大学は、AMED、信州大学等5大学、、日立製作所等11社とともに、IoTを活用して各種医療機器・設備を接続・連携させ、手術の進行や患者の状況を統合把握することにより、手術の精度と安全性を向上させる「スマート治療室」の開発を進めている。

同プロジェクトは東京女子医科大学先端生命医科学研究所の村垣善浩教授、岡本淳特任講師らが統括し、国内外の産業界で普及しているミドルウエアORiN(Open Resource interface for the Network)をコア技術とした、汎用性の高い治療室用インターフェース「OPeLiNK(R)」をデンソーが中心となって開発し、日立製作所のオープンMRI等の手術室内医療機器・設備を接続している。2016年に「ベーシックモデル」を広島大学病院、2018年に「スタンダードモデル」を信州大学医学部附属病院に設置し、機器のパッケージ化や新規アプリケーション等の開発を進めてきた。

将来的には、ビッグデータとしての解析も可能

今回、東京女子医科大学病院の第一病棟内に完成した「ハイパーモデル」手術室は、各種医療情報を「時系列の治療記録」として収集・提供(表示)し、手術室外の医師・技師等にも共有することにより、治療の効率性や安全性の向上が期待される。これらを検証するための脳神経外科に関する臨床研究を2019年2月より開始した。スマート治療室の情報は、将来的にはビッグデータとしての解析も可能で、保守・管理の面でも、機器操作ミスの防止や機器故障の未然検知、コスト管理(稼働時間の短縮)に大きなメリットをもたらすものとなる。

「ハイパーモデル」では今後ロボティック手術台を実用化し、MRIへの患者自動搬送や治療室における術野位置コントロール機能を実現していくとともに、生存予後の予測や機能予後の予測、術中の危険予測、手術効率向上のアドバイス等を迅速に行うための臨床情報解析システムを開発し、蓄積された臨床情報を高効率に利用する「 Surgery」の実現を目指すとしている。

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