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「LC-SCRUM-Japan」がスクリーニング基盤を台湾へ拡大-国がん

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2019年04月02日 AM11:30

台湾の長庚記念病院が参加、2019年3月18日から登録開始

国立がん研究センターは3月29日、肺がんの遺伝子スクリーニング「LC-SCRUM-Japan」に、台湾の長庚記念病院(Chang Gung Memorial Hospital)が参加し、スクリーニング基盤をアジアへ拡大することを明らかにした。登録は、2019年3月18日から開始している。


画像はリリースより

近年、次世代シーケンス法(next generation sequencing:NGS)などの遺伝子解析技術の進歩により、個々のがん患者の遺伝子解析結果に基づいて有効な治療を選択する、がんゲノム医療の確立が進められている。肺がんにおいては、EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子を標的とする分子標的治療薬に加え、2017年にROS1融合遺伝子、2018年にBRAF遺伝子変異を標的とする新たな分子標的治療薬が国内で承認。さらに、MET、RET、HER2、NTRKなど、さまざまな遺伝子変化を標的とする治療開発が進んでおり、今後肺がんにおけるゲノム医療の確立は、さらに加速することが予想される。

しかし、それぞれの遺伝子変化の頻度は非小細胞肺がんの1~2%と希少であり、臨床試験に基づいた早急な治療開発を行うためには、他国の協力を得た大規模な国際的遺伝子スクリーニング基盤の確立が必要となる。

」の構築で、アジアのゲノム医療推進を目指す

LC-SCRUM-Japanは、同センター東病院が2013年より日本全国の病院と共同で組織し、肺がんの遺伝子スクリーニングを実施している。全国の200を超える施設の協力を得て、2013年からの6年間で7,000例を超える肺がん患者の遺伝子解析を実施し、ROS1融合遺伝子やBRAF遺伝子変異に対する国内の診断薬・治療薬の開発へ貢献してきた。

今回、アジア各国の協力を得て、アジアの遺伝子スクリーニング基盤として「LC-SCRUM-Asia」を構築することで、欧米に劣らない速さで、アジアにおける肺がんの診断薬・治療薬の開発に貢献し、アジアのゲノム医療をさらに推進することを目指している。

LC-SCRUM-Asiaにより、アジアにおける肺がんのスクリーニング基盤が構築されれば、より大規模な遺伝子スクリーニングが可能となり、さまざまな遺伝子変化を標的としたゲノム医療の確立を加速させることができる。また、同センターは、肺がん以外の固形がんを対象とした遺伝子スクリーニング基盤を今後構築していくうえで礎となることが期待されるとしている。

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