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開発中の「AVP-786」、アルツハイマー型認知症に伴うアジテーションを対象としたP3試験の結果速報を発表-大塚製薬

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2019年03月28日 AM11:15

重水素化したd6-DMとキニジンを配合した新規化合物

大塚ホールディングス株式会社は3月25日、大塚製薬株式会社が、米国子会社アバニア社が開発している新規化合物「」のアルツハイマー型認知症に伴う行動障害(アジテーション)を対象とした、有効性、安全性および忍容性を検討する最初のフェーズ3試験の結果速報を公表したと発表した。

米国には約580万人のアルツハイマー型認知症の患者がいると推定されているが、多くの患者は過剰行動、暴言、暴力などの行動障害(アジテーション)を起こすといわれている。こういった症状は患者自身や介護者の負担となり、生活の質にも影響を与える。またアジテーションは、介護施設への入居の可能性の上昇や認知症の進行にも関係している。

AVP-786は、重水素化したデキストロメトルファン(d6-DM)とキニジンを配合した新規化合物。重水素化により、チトクロームP450(CYP2D6)による代謝が低減されd6-DMの血中安定性が高まる。同剤は、中等度から重度のアルツハイマー型認知症に伴うアジテーション症状を対象とした臨床試験のほか、統合失調症陰性症状および外傷性脳損傷においても臨床試験を実施中だ。

CMAIにおいて統計学的に有意な改善を確認

今回の試験は、中等度から重度のアルツハイマー型認知症に伴うアジテーション症状を有する50歳から90歳 の患者410名を対象とした多施設共同、ランダム化、プラセボ対照の12週間の二重盲検比較試験で、Sequential Parallel Comparison Design(SPCD)という試験デザインで実施された。

試験の結果、AVP-786の2つの用量のうち一方の用量で、主要評価項目であるCMAI(Cohen-Mansfield Agitation Inventory:アジテーション症状29項目の出現頻度を評価する指標)においてプラセボに比べ統計学的に有意な改善が見られた。もう一方の用量では、改善傾向を示したもののプラセボ群との有意差は見られなかった。主要な副次的評価項目でも、一方の用量で統計学的に有意な改善が確認され、同様の傾向が見られた。一方、AVP-786投与群はプラセボ群と比較して有害事象の頻度が高く、また5%以上で見られた有害事象は、転倒、尿路感染、頭痛、下痢だった。試験期間中の死亡率は低く、投薬に関連すると思われる死亡例はなかったという。

アバニア社は今後、この試験の全ての結果を詳細に解析し、学術専門誌で発表する予定。なお、現在実施中のあと2本のフェーズ3試験は、SPCDではなく通常の比較試験のデザインで実施するとしている。

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