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次世代がん免疫療法のAZD4635、臨床/前臨床試験データを発表−そーせい

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2019年03月27日 PM12:15

単剤または抗PD-L1抗体との併用で早期臨床活性を観察

そーせいグループ株式会社は3月25日、提携パートナーであるAstraZeneca社(AZ社)が、2019年3月29日~4月3日に米アトランタで開催される米国がん学会()年次総会で、がん免疫療法のパイプラインに関する臨床および前臨床試験の早期段階における主要データを公表すると発表した。

AACRにおける発表では、AZ社は、低分子アデノシン2A受容体()拮抗薬AZD4635に関する第1相および前臨床試験データを発表する。A2ARを拮抗することは腫瘍抑制に重要な役割を果たすとの認識が高まっており、がん免疫療法の新たな領域となっている。公表するデータは、AZD4635がアデノシンに媒介される免疫抑制を阻害すること、転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象とした単剤もしくはデュルバルマブ(AZ社の抗PD-L1抗体)との併用によるAZD4635の早期臨床活性が観察されたことを示している。

アデノシンに媒介される免疫抑制を阻害する薬

AZD4635は強力かつ選択性の高い経口投与可能な低分子のA2AR拮抗薬で、同社グループが創製し、2015年にAZ社に独占的ライセンスを供与。がん細胞の、免疫回避メカニズムには、アデノシンと呼ばれている天然の抗炎症分子を産生することによる回避メカニズムも含まれる。アデノシンはA2ARを刺激することで、免疫系内のT細胞が活性化されるのを阻害し、T細胞のがん細胞殺傷能力を低下させる。したがって、A2ARを拮抗阻害することで、腫瘍微小環境内のT細胞の抗がん反応を高めることが可能になる。

現在AZD4635は、固形がん患者を対象とした単剤およびデュルバルマブとの併用を評価する臨床試験を実施中。2017年米国がん学会年次大会で発表されたデータでは、前臨床試験で、 がアデノシンによるT細胞の機能抑制を解除し、T細胞の抗腫瘍免疫性を高めることが示されている。単剤で使用した場合や抗PD-L1チェックポイント阻害剤と併用した場合に、AZD4635がA2Aシグナル伝達を阻害すると、腫瘍の増殖が低下することが示されている。

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