■受験者数の増加が寄与
厚生労働省は25日、第104回薬剤師国家試験の結果を発表した。受験者数1万4376人のうち、合格者は1万0194人で前回より610人上回った。合格率は0.33ポイント増の70.91%だった。2016年の第101回試験以来、合格者数が3年ぶりに1万人を超えたが、合格率が前回と同水準だったことを踏まえると、受験者数が前回より797人増えたことが影響したと見られる。また、今回の国試から導入された、薬剤師にすべきでない受験者を識別するため、一定数以上選択した場合に自動的に不合格となる「禁忌肢」は、誤って2問まで選択しても不合格にならない措置が取られた。厚生労働省は、今回の結果について「さほど大きな変化はないのではないか」との認識を示した。
■「禁忌肢」は2問まで救済
6年制新卒者の合格者は8129人で合格率は85.50%、6年制既卒者は1950人で43.07%だった。新卒者は、前回の84.87%から0.63ポイント増で、既卒者は前回の47.00%から3.93ポイントの減となった。
合格率を男女別に見ると、男性が68.76%で、女性が72.34%だった。
大学の設置主体別の合格者数は、国立が550人(合格率85.40%)で、うち6年制新卒が449人(94.13%)、6年制既卒が30人(52.63%)、その他(旧4年制卒、受験資格認定者)が71人(64.55%)だった。
公立は253人(88.15%)で、うち6年制新卒219人(95.22%)、6年制既卒17人(60.71%)、その他が17人(58.62%)。私立は9391人(69.85%)で、6年制新卒7461人(84.77%)、6年制既卒1903人(42.84%)、その他27人(13.37%)だった。
大学別に合格率を見ると、90%を超えたのは6校、50%を下回ったのは6校だった。合格率が最も高かったのは九州大学の95.35%で、金沢大学95.24%、名城大学92.34%、京都薬科大学91.16%、慶應義塾大学90.70%と続いた。
新卒の合格率100%は、九州大学、長崎大学、京都大学、東京大学の4大学だった。
■私大で1393人が受験せず
また、一般問題(薬学実践問題)の問113、問190、問197について、「複数の正解がある」「選択肢が不適切で正解が得られない」等の理由で、「複数の選択肢を正解として採点する」「全員を正解として採点する」措置をとった。
今回の国試は、1万5796人の出願者数に対し、受験者数は1万4376人で、1420人が何らかの理由で受験しなかったことになる。
内訳は、国公立大学の27人に対し、私立大は1393人だった。