過去5年の推移と比較
国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンターは3月15日、過去5年の推移と比較した、2018年全国の抗菌薬販売量データを公開した。
画像はリリースより
昨今、薬剤耐性菌の増加が世界的に問題となっており、日本でも2016年に薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが策定された。AMR臨床リファレンスセンターでは、薬剤耐性(AMR)対策アクションプランを推進するための取り組みのひとつとして、薬剤耐性に関するさまざまなサーベイランス情報を収集し、取りまとめたデータを発信している。
前年より3.6%、5年前より10.7%減少
2018年の抗菌薬販売量(13.31DID)は、2017年(13.81DID)と比較して3.6%、2013年(14.90DID)と比較して10.7%の減少がみられた。種類別では、2017年比で経口セファロスポリン系薬が7.0%、経口フルオロキノロン系が8.7%、経口マクロライド系薬が5.2%減少しており、経口フルオロキノロン薬の減少が目立った。単位のDIDは、人口1,000人当たりの1日使用量(Defined Daily Dose per 1,000 Inhabitants per Day)。
2013年比では、経口セファロスポリン系薬で18.4%、経口フルオロキノロン系で17.1%、経口マクロライド系薬で18.0%減少。今回、抗菌薬販売量が減少した要因としてAMR対策アクションプランに基づくさまざまな取り組みが結果に表れた結果と同センターは見ており、今後も定期的にサーベイランス情報を発信していくとしている。