2016年に常温MRセンサアレイで心磁界分布の可視化に成功
TDK株式会社と東京医科歯科大学は3月13日、世界で初めて高感度磁気抵抗(MR)素子による心臓の磁場分布のリアルタイムでの測定に成功したと発表した。この研究は、TDK、同大大学院医歯学総合研究科先端技術医療応用学講座ジョイントリサーチ講座の川端茂徳教授、同心臓調律制御学の平尾見三教授らの研究グループによるもの。
TDKと東京医科歯科大学は、2016年に共同研究の成果として、世界で初めて常温MRセンサアレイによる生体磁界である心磁界分布の可視化に成功。以後両者は、より高精度に計測できる磁気センサの開発と、現在の既存デバイスである超伝導量子干渉素子(SQUID)センサに代わる計測装置の開発に取り組んできた。
2面測定ができる計測装置も共同開発
今回、TDKのもつ磁気センサの技術を用いて、従来以上に高感度化した磁気センサを開発できたことにより、世界で初めて常温MRセンサアレイによる生体磁界である心磁界分布のリアルタイムの計測に成功した。なお、計測に際しては、金沢工業大学からの技術サポートも得ている。
常温センサは複数個並列して測定を行うことが容易で、高密度での測定が可能なため、心筋活動の測定に最適な2面の測定ができる計測装置も共同で開発した。TDKと東京医科歯科大学は、今後実証試験を重ね、実用化に向けて開発を継続する方針としている。
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・TDK株式会社 プレスリリース