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潰瘍性大腸炎の試験、ベドリズマブがアダリムマブに対し有意に高い臨床的寛解率達成-武田薬品

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2019年03月13日 PM12:00

2つの生物学的製剤を初めて直接比較した臨床試験

武田薬品工業株式会社は3月11日、消化管に選択的に作用する生物学的製剤であるベドリズマブ(製品名:Entyvio(R)、国内製品名:(R))が、臨床第3b相試験であるVARSITY試験の結果、中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、生物学的製剤で抗TNFα抗体のアダリムマブと直接比較して52週時点で有意に高い臨床的寛解の達成を示したと発表した。この試験結果は、デンマークのコペンハーゲンで開催された第14回欧州クローン病・大腸炎会議()のオーラルプレゼンテーションにて発表された。

VARSITY試験は、無作為化、二重盲検、ダブルダミー、多施設共同、実薬対照の臨床第3b相試験。中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、静脈内投与によるベドリズマブと皮下投与によるアダリムマブを比較し、52週時点における有効性および安全性について評価している。

同試験で無作為化の対象となった患者は769名(ベドリズマブ投与群n=383、アダリムマブ投与群n=386)。いずれも組み入れ前に副腎皮質ステロイド、免疫調節薬、またはアダリムマブ以外の1つの抗TNFα薬に対して効果不十分、効果減弱または不耐性を示していた。対象者はベドリズマブ静脈内投与とプラセボ皮下投与を受ける群、もしくはアダリムマブ皮下投与とプラセボ静脈内投与を受ける群のいずれかに無作為に割り付けられた。

ベドリズマブ投与群の患者はベドリズマブ300mgを0、2、6週、その後は46週まで8週間ごとに静脈内投与、およびプラセボを0週とその後は50週まで2週間ごとに皮下投与。アダリムマブ投与群の患者はアダリムマブ160mgを0週、80mgを2週、その後は40mgを50週まで2週間ごとに皮下投与、およびプラセボを0、2、6週、その後は46週まで8週間ごとに静脈内投与された。いずれの投与群においても、試験期間中の用量漸増は許容されていない。

52週時点で有意に高い臨床的寛解および粘膜治癒を達成

試験の結果、主要評価項目である52週時点での臨床的寛解を達成したのは、アダリムマブ皮下投与(SC)群では22.5%(386名中87名)であったのに対し、ベドリズマブ静脈内投与(IV)群では31.3%(383名中120名)で、両群の間に統計学的有意差が認められた(p=0.0061)。

また、52週時点で粘膜治癒を達成した患者の割合は、アダリムマブ投与群では27.7%であったのに対し、ベドリズマブ投与群では39.7%(p=0.0005)で、ベドリズマブ投与群の方で有意に高い粘膜治癒率が認められた。ベースラインで経口の副腎皮質ステロイドを使用し、その後副腎皮質ステロイドの使用を中止し、52週時点で臨床的寛解(ステロイドフリー臨床的寛解)の状態にある患者の割合では、アダリムマブ投与群の方が結果は良好だったが、統計学的有意差は認められなかった。

さらに、今回は両生物学的製剤の安全性を統計学的に比較する試験ではないが、52週間での有害事象全体の発現率は、アダリムマブ投与群(69.2%)と比較して、ベドリズマブ投与群(62.7%)で低く、感染症の発現率についてもアダリムマブ投与群(43.5%)と比較して、ベドリズマブ投与群(33.5%)で低い結果となった。重篤な有害事象も、アダリムマブ投与群(13.7%)と比較して、ベドリズマブ投与群(11.0%)で発現率が低いという結果だった。

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