自民党厚生労働部会・薬事に関する小委員会合同会議は7日、医薬品医療機器法(薬機法)の改正案を部会長一任で了承した。地域連携薬局など機能別の薬局認定制度について1年ごとに更新すること、薬事法令に背く行為に対する役員変更命令の要件などを明記。議員からは役員変更命令について「行政が民間企業に対してそこまでやるのか」などの声が出たものの、改正案全体に対しては肯定的な意見が多数を占めた。厚生労働省は、今月中旬にも閣議決定したい考えだ。
今回の改正案は、先月27日の合同会議で継続審議となった改正案と概ね同様の内容となったが、議員の要望を踏まえ、全体的に詳細な記載内容となっている。
例えば、患者が自分に適した薬局を選択できるよう地域連携薬局や専門医療機関連携薬局など機能別の薬局の知事認定制度を導入することについて、機能を適切に発揮しているかを確認するため、1年ごとに更新することとした。認定手続きの際には、既存の薬局機能情報提供制度で薬局が都道府県に毎年行っている報告内容を申請資料の一部として利用できるようにするなど、薬局開設者や認定を行う自治体の負担を軽減するよう配慮する。
また、保健衛生上の危害が発生する可能性がある法令違反に対して、「薬事に関する業務に責任を有する役員」を別の役員に変更するよう命令できることを明記。命令の発動要件として、薬事に関する法令違反行為があった上で、「役員を変更しなければ保健衛生上の危害の発生、拡大を防止するために必要な業務改善が見込まれないこと」を条件とした。
一方、改善命令や行政指導で改善が行われる場合は役員変更命令はできないほか、役員変更命令が唯一の改善方法である合理的な説明が必要など、他の処分と比べて厳格な要件を設けている。
合同会議では、議員から役員変更命令に関して「行政が民間企業に対してそこまでやるのか」との指摘があったものの、厚労省と厚労部会で「慎重かつ適切に運用する」こととした。また、「健康サポート薬局や地域連携薬局など、患者がどの薬局に行けば良いか分かりづらい。もう少し分かりやすく説明すべき」などの要望も上がった。