肺がんの診断において重要な役割を果たす気管支内視鏡検査
富士フイルム株式会社は3月4日、LED光源搭載内視鏡システム「6000システム」などに対応したスコープのラインアップとして、気管支内視鏡「EB-580S」を、同日より富士フイルムメディカル株式会社を通じて発売すると発表した。
画像はリリースより
気管支の内部を観察する気管支内視鏡検査は、肺がんの診断において重要な役割を果たしている。肺がんは、ほかの臓器のがんに比べて進行が速く、転移しやすいがんで、日本では1998年から21年連続で死亡率が第1位の疾患となっている。肺がんの治療では、気管支内視鏡を用いて採取した検体による病理診断や遺伝子解析などにより、腫瘍の特性に基づいて投与する薬剤を決定する。
高精細・高画質な画像で微小な病変の発見をサポート
今回発売された気管支内視鏡「EB-580S」は、照射した光と画像処理を組み合わせることで、観察に適した画像を作り出す技術「Multi-Light Technology(マルチライトテクノロジー)」を搭載した内視鏡システムに対応。通常の白色光観察に加えて、粘膜表層の微細な血管や構造などを強調して表示する機能「BLI」や、画像の赤色領域のわずかな色の違いを強調して表示する機能「LCI」などの画像強調機能を用いて観察することができ、気管支における炎症性疾患や虚血などの微小な病変の発見をサポートする。
スコープ先端の撮像素子には、高解像度スーパーCCDハニカムを採用。近接観察が可能なレンズを組み合わせることで、対象から2mmの距離まで近づいても、粘膜表層の微細な血管などを高精細・高画質な画像で映し出すことが可能で、視認性の向上が期待できる。
また、検体を採取する処置具を通したり、痰や血液などの体液の吸引に用いる鉗子口径を従来よりも大きな2.2mmに拡張。処置具の挿通性と体液の吸引力が向上したことで、処置具を挿入した状態でも痰や血液などを短時間で吸引し、明瞭な視野を確保できるという。さらに、従来機よりもスコープ彎曲角度(210度)を大きくすることで、特に挿入が難しいとされる上葉気管支へのアプローチが向上したという。
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・富士フイルム株式会社 ニュースリリース