中央社会保険医療協議会総会は20日、再生医療等製品として承認されたニプロの骨髄由来間葉系幹細胞「ステミラック注」の保険適用を了承した。医薬品として薬価基準に収載することとなっており、算定薬価は1回分が1495万7755円となる。再生医療等製品として初の先駆け審査指定品目であることなどを踏まえ、10%の補正加算を適用した。26日付で薬価基準に収載される予定。
ステミラックは、昨年12月に再生医療等製品として製造販売承認され、保険償還に当たっては医薬品として対応し、薬価算定組織で償還価格を検討後に薬価基準への収載を審議することとなっていた。
今回、ステミラックの薬価は原価計算方式で算定。新規の作用機序を持ち、世界に先駆けて日本で承認された一方、単施設で探索的位置付けの臨床試験として計画され、対照群が設定されていないことに加え、対象症例数も少ないことから、10%の先駆け審査指定制度加算を適用した。
この日の総会では、幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)が「再生医療は患者の骨髄液を採取するなど特殊で、医薬品の算定方式が適しているかは疑問。これから登場してくる再生医療等製品については類似技術と比較するなど、いままでの算定方式と異なるやり方を考えてはどうか」と算定方式に注文を付けた。
厚生労働省保険局の田宮憲一薬剤管理官は、「現時点では薬事承認された時点で、薬価算定と材料価格のどちらのルールで行うかを判断した上で算定している」としつつ、「再生医療等製品に特化したルールとしてどのようなものが適当か検討していく必要がある」との考えを示した。