ヒアルロン酸とジクロフェナクを化学結合した薬剤
小野薬品工業株式会社は2月19日、生化学工業株式会社と日本で共同開発中の変形性関節症治療剤「ONO-5704/SI-613」の第3相臨床試験として進めている3つの臨床試験のうち、変形性膝関節症を対象とした検証的試験において、良好な結果を得たと発表した。
ONO-5704/SI-613は、生化学工業独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸とジクロフェナク(抗炎症薬)を化学結合した薬剤。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、徐放されるように設計されたジクロフェナクの鎮痛・抗炎症作用を併せ持つことから、変形性関節症や腱・靭帯付着部症に見られる痛みや炎症を、速やかに、かつ持続的に改善することが期待されている。
WOMACスコアにおいて、プラセボ群と比較し有意に改善
同試験は、変形性膝関節症患者を対象とした440例の無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験。ONO-5704/SI-613は、主要評価項目である初回投与12週間(4週ごとに3回投与)後のWOMACスコア(膝の痛みの評価指標)において、プラセボ群と比較して統計学的に有意な改善効果を示した。また、安全性についても、臨床上、顕在化した問題は認められなかった。
小野薬品および生化学工業は、全ての試験の終了後に、取得したデータを考慮のうえ、2020年前半の承認申請を目指している。なお、本件による両社の2019年3月期連結業績予想の変更はない。
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・小野薬品工業株式会社 ニュースリリース