日本ほかASEAN諸国などでの独占的開発・商業化権を取得
小野薬品工業株式会社は1月31日、カナダのRepare Therapeutics, Inc.(Repare社)と、DNA Polymerase theta (Pol-theta、Polθ)阻害剤の開発および商業化を目的とする戦略的提携契約を締結したことを発表した。
Repare社は、特定の患者集団における腫瘍細胞の脆弱性を標的とした、次世代プレシジョンメディシンの研究開発に特化した非上場のベンチャー企業。現在、低分子Polθ阻害剤の創製に取り組んでいる。今回の契約締結により、小野薬品は、日本、韓国、台湾、香港・マカオ(中国本土は除く)およびASEAN諸国において、Polθ阻害剤を独占的に開発および商業化する権利を取得。Repare社は、小野薬品のテリトリー以外の米国、カナダおよびEUを含む地域で製品を開発および商業化する権利を留保する。
PARP阻害剤との併用療法での効果が期待
小野薬品は、契約一時金および研究資金として最大17億円をRepare社に支払うとともに、新薬治験許可申請(IND)に係る費用の一部を負担。契約には、開発段階および販売マイルストン(最大約172億円)も含まれる。また、小野薬品は、テリトリーにおける売上高に応じた1桁台後半~2桁台前半のロイヤルティをRepare社に支払う。
Polθは、特に相同組み換え修復異常(HRD)が生じている細胞における、DNA損傷の修復に欠かせない酵素。現在、HRDが認められるがんに対しては、PARP阻害剤が治療に用いられる。Polθ阻害剤は、PARP阻害剤とは異なる作用機序であることから、多数のがん腫にわたって単剤療法およびPARP阻害剤との併用療法での効果が期待され、PARP阻害剤による治療で早期の効果が認められなかった患者や耐性を獲得した患者に有用な薬剤となり得ることが期待されている。さらに、化学療法、放射線療法およびがん免疫療法薬との併用療法としても期待される。
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・小野薬品工業株式会社 プレスリリース