日本薬剤師会の山本信夫会長は1月30日、定例会見で、厚生労働省が今通常国会への提出を目指し、関係団体と最終調整している薬機法改正案の一部が、日本保険薬局協会の政治連盟ホームページ(HP)に団体の要望書と共に掲載された問題を受け、「法案審議の妨げにならなければ良いと思っている」とコメントした。
政治連盟のHPでは、薬局の機能分類において、まだ名称が確定していない、入退院時や在宅医療で医療機関などと連携して対応できる薬局を「地域療養支援薬局」(仮称)と記載。
こうした機能を持った薬局が都道府県の承認を得て名乗れるようにする方向性について、「承認」という禁止の解除を意味する重い行政行為に係らしめるのではなく、「届出」制度により提供されるサービスの「確認」を行い、速やかに全国に展開するべきなどとしている。
山本氏は、「事実であれば、団体と役所との信義の問題」とし、自身が中央社会保険医療協議会委員や厚生労働省の検討会委員などを担った過去を振り返り、「調整中のものを暴露してしまうというケースは初めてでは」と指摘。
その上で、「少なくとも日薬ではいままでこんなことが起きたことがないし、自分でもしたことがない。ガバナンス以前の問題で、どうコメントして良いか」と語った。
また、「HPになぜ、どのようにして載ってしまったのか、そのことも問題になると思う」としつつも、「政治的な手法も含めて、これまでの法案が上がっていく段取りからすると、手順が少し違っているような気がしているので、いろいろな意味で問題が残ったのではないか」と指摘。
毎月勤労統計の不適切調査問題などで法案審議が滞ることも想定されるだけに、「このことが大きな躓きになってしまわないよう願うしかない」と述べた。