■類似薬効比較見直しも要望
日本製薬工業協会は、新薬創出等加算の見直しを含む薬価制度改革の業界案を柱とした「製薬協政策提言2019」を発表した。2020年度の薬価制度改革には医薬品の医療的価値のみならず、患者や医療従事者、介護者に価値をもたらす「社会的価値」をインセンティブ系加算として薬価に反映する仕組みを提案。さらに22年度には、原価計算方式による薬価算定を廃止するのに加え、既存薬と新薬を比較する現行の類似薬効比較方式を見直し、対象疾患の患者数や重篤度、治療期間の長さなど新たな要素から比較対照薬を選定し、多面的に新薬を評価する新たな薬価方式の導入を目指す。今後、日本製薬団体連合会が具体的な提案内容をまとめ、中央社会保険医療協議会で実現に向けて、働きかけていく。
中山讓治会長は24日、都内で記者会見し、「現行の薬価制度は医薬品の価値を適切に反映していない」との問題点を指摘。「製薬協政策提言2019」をまとめた背景については、イノベーションの推進と国民皆保険の持続を両立させるために、「政府に求めるだけではなく、業界としてどうあるべきか国民に見える形でオープンに議論したいと考えた」と説明した。