東所沢病院(所沢市、251床)は昨年4月から、近隣にある新座病院(新座市、128床)が策定した医薬品の使用指針「フォーミュラリー」を段階的に導入している。有効性や安全性のほか経済性も踏まえて同種同効薬を評価し、その薬剤選択基準を明示するフォーミュラリーを、これまでに4薬効群で取り入れた。日本でもいくつかの病院がこの手法を導入しているが、単一施設だけでなく地域全体で取り組むことによって、医療費や在庫医薬品の削減、医療の質の確保に役立つと期待されている。複数施設が同じフォーミュラリーを共有する動きは他地域でも始まっており、今後各地に広がる可能性がある。
これら二つの病院は、同じ戸田中央医科グループの系列病院。東所沢病院薬局長の佐藤光氏は、導入の経緯について「グループ内の集まりを通じて以前から新座病院の動きは把握しており、当院も導入したいと思っていた。病院の特徴や患者背景などは当院と似ているため、導入しやすいのではないかと考えた」と振り返る。