北海道内の多施設研究で判明
北海道内の医療機関で免疫チェックポイント阻害薬「ニボルマブ」の廃棄量の実態を調べたところ、昨年3月末の薬価ベースで約8017万円に上ることが、旭川医科大学病院薬剤部の福土将秀氏らの研究で明らかになった。調整当日に単回使用バイアルの複数回使用(DVO)を実施した施設では、約1187万円の薬剤費削減につながっていることも分かった。現在、1回240mgの固定用量が承認され、ニボルマブの残薬問題は解消されたと考えられているが、海外ではイピリムマブとの併用療法で体重換算の投与量が設定されていることから、「無菌性を担保する調製方法を取り入れることで開封後の使用期限を延長し、DVO実施によるバイアル内残薬の有効活用が期待される」としている。
抗PD-1抗体「ニボルマブ」をはじめとする免疫チェックポイント阻害薬の登場は、癌の免疫療法を開花させた一方、高額な薬剤費が大きな社会問題となってきた。こうした中、国民医療費の高騰を防ぐため、2017年2月には緊急薬価改定が実施され、ニボルマブの100mgバイアルの薬価が50%引き下げられた。