ソホスブビルとベルパタスビルの配合錠
ギリアド・サイエンシズ株式会社は1月8日、非代償性肝硬変を伴うC型肝炎ウイルス感染症の成人患者、および直接作用型抗ウイルス療法(DAA)の前治療歴を有する慢性肝炎または代償性肝硬変を伴うC型肝炎ウイルス感染症の患者に対する1日1回投与の治療薬「エプクルーサ(R)配合錠」(一般名:ソホスブビル/ベルパタスビル配合錠)の日本での製造販売承認を取得したと発表した。
今回承認されたエプクルーサは、2015年3月に「ソバルディ(R)錠 400mg」として承認された核酸型NS5Bポリメラーゼ阻害剤ソホスブビルと、NS5A阻害作用を有する新有効成分であるベルパタスビルを含有する新規配合剤。同剤は、日本においては、C型肝炎ウイルス感染症患者のウイルス血症の改善を適応としている。非代償性肝硬変を伴うC型肝炎ウイルス感染症の患者は1日1回1錠を12週間、また、以前にDAA治療経験のある慢性肝炎または代償性肝硬変を伴うC型肝炎ウイルス感染症の患者は1日1回1錠をリバビリンと併用し、24週間経口投与する。
92%の患者がSVR12を達成
日本におけるエプクルーサの承認は、非代償性肝硬変を伴うC型肝炎ウイルス感染症の日本人患者における第3相臨床試験(試験GS-US-342-4019)のデータに基づいており、同試験では、エプクルーサを12週間投与した結果、92%(47/51例)の患者がSVR12(治療終了後12週時点のウイルス量が定量下限値未満)を達成。SVR12を達成した患者はC型肝炎ウイルス感染症が治癒したとみなされる。また、DAAによる前治療不成功のジェノタイプ1型または2型のC型肝炎ウイルス感染者を対象とした別の国内第3相試験(GS-US-342-3921試験)においては、エプクルーサとリバビリンを24週間併用投与した結果、97%(58/60例)の患者がSVR12を達成。両試験においてエプクルーサは良好な忍容性を示した。
GS-US-342-4019試験で12週間エプクルーサを投与された患者に発現した最も頻度の高かった有害事象は鼻咽頭炎であり、有害事象のためにエプクルーサによる治療を中断した患者はいなかった。また、GS-US-342-3921試験でエプクルーサとリバビリンを24週間投与された患者に発現した最も頻度の高かった有害事象はウイルス性上気道感染症および貧血症であり、患者の3.3%が有害事象のために投与を中止した。
日本ではこれまで、非代償性肝硬変を伴うC型肝炎ウイルス感染症に対して承認された治療薬はなく、またDAA治療不成功の患者に対する治療の選択肢も非常に限られたものだった。エプクルーサの承認取得により、これら難治性の患者に対して新たな治療の選択肢を提供することができるようになったと同社は述べている。
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・ギリアド・サイエンシズ株式会社 プレスリリース