援助付き雇用モデルや個別就労支援モデルに基づくプログラム
東京工科大学は12月27日、統合失調症などの認知機能障害者の就労支援などを目的としたリハビリテーション用ゲームソフトウェア「Jcores(ジェイコアーズ)」の改訂版を開発したと発表した。この成果は、同大コンピュータサイエンス学部の亀田弘之教授ら研究チームによるもの。2019年4月を目処に病院施設などで運用を開始する予定。
画像はリリースより
Jcoresは、研究チームが帝京大学医学部の池淵恵美教授らと2011年に共同開発した日本初の認知機能リハビリテーション専用のゲームソフト。統合失調症など障害者の就労支援を行うプログラム「VCAT-J(Vocational Cognitive Ability Training by Jcores)」として、デイケア施設や大学病院での臨床現場で運用されている。
VCAT-Jは、専用ゲームソフトである「Jcores」によるトレーニングを組み入れたリハビリテーションプログラム。精神障害をもつ人の就労支援に有効とされる援助付き雇用モデルや、より厳しい原則を持つ個別就労支援モデルに基づいている。
統合失調症では、注意や記憶などの認知機能の障害により日常生活や就業がうまくいかなくなることが知られているが、同ソフトによるトレーニングで、これらの改善効果が報告されているという。
タブレット端末に対応、より多くの施設での導入に期待
今回の改訂版(Ver2.0)では、従来のPC版(Windows)に加え、タブレット端末(iOS、Andoroid)にも対応。高齢者向けにタッチパネルなどの操作性を向上させた。これにより、より多くの病院施設などでの導入が期待される。
同大のコンピュータサイエンス学部は、ICT時代を見据えた情報工学系の学部として2003年に設置。AI関連技術の教育や研究にいち早く取り組んできた。2019年度には、「AIコース」を新設するなど、新たな「実学」教育に向けたカリキュラムの改革も実施。医療関連のAI研究プロジェクトとしては、「iPSがん幹細胞自動検出AIシステム」や「周産期医療AIシステム」などに取り組んでいる。
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