主要評価項目の画像診断による無増悪生存期間を有意に延長
アステラス製薬株式会社は12月21日、経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤「エンザルタミド(製品名:XTANDI(R))」について、転移性ホルモン感受性前立腺がん(HSPC)患者を対象として実施した第3相ARCHES試験の結果を発表。主要評価項目である画像診断による無増悪生存期間(rPFS)を有意に延長した。試験結果の詳細は、今後の学会などで発表する予定だ。
エンザルタミドは、米Pfizer社と共同で開発・商業化を進めている去勢抵抗性前立腺がんの治療薬。日本、米国、欧州などで販売されており、これまでに全世界で33万人以上の患者に投与されている。
エンザルタミドの有効性・安全性をADT単独治療群と比較
ARCHES試験は、国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験。転移性HSPC患者1,150名を対象として、アンドロゲン除去療法(ADT)とエンザルタミド1日160 mgを投与した群の有効性および安全性を、ADT単独治療群と比較して評価した。
同試験は、腫瘍体積の大きい患者層と小さい患者層の両方を対象としており、また、新規に診断を受けた転移性HSPC患者、根治治療を受けた後に転移した患者、転移性HSPCに対してドセタキセルの治療を受け、その後進行がみられない患者も含まれている。主要評価項目は、画像診断による無増悪生存期間で、中央判定による画像診断上の評価において、病態進行あるいは死亡のうち、いずれかの事象が最初に起こるまでの期間だった。
同試験の予備的な安全性解析において、同剤の安全性プロファイルは、去勢抵抗性前立腺がんを対象に実施したこれまでの試験結果と同様だった。アステラス製薬は、この結果を受け、今後、各国の規制当局と適応拡大に向けて協議していきたいとしている。
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