厚生労働省は20日、来年4月から適用される「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」について、規制対象になるかどうかの判断材料となる具体例を記載した質疑応答集(Q&A)を来年度をメドに公表する考えを、規制改革推進会議の医療・介護ワーキンググループに示した。
この日のWGでは、今期の審議事項である「医療情報の提供に関する規制の見直し」について、米国研究製薬工業協会(PhRMA)や全国がん患者団体連合会(全がん連)などからヒアリングを実施した。
PhRMAは、製薬企業が患者に医療用医薬品の情報提供をすることが宣伝広告と見なされ患者に必要な情報を提供できないとし、広告・宣伝と適正な情報提供を分け、患者への情報提供ができるよう現行法を改正することを要望した。
全がん連は、患者が必要な情報を能動的に得られていないとし、患者や家族を対象としたセミナーなどで医薬品の一般名ではなく、製品名を扱えるようにすること、効能・効果を擬人化で表現して分かりやすく伝えることなどを認めるよう求めた。
これらの要望について、厚労省は認識に誤解があるとし、「指摘された事例に規制は存在せず、業界の自主規制で行われているのではないか」と回答。その上で、医療用医薬品の販売情報提供ガイドラインについて、「具体的なイメージが湧かず、白か黒か判断しかねる場合は大いにあり得る」とし、規制対象に含まれるかどうか判断材料となる具体的なケースを記載したQ&Aを来年度をメドに公表する考えを示した。
作成の進捗状況については、業界団体の協力を得つつ、研究班で事例を収集している段階とした。