現時点で原因の特定に至ず、健康への影響を考慮
シンバイオ製薬株式会社は12月20日、抗悪性腫瘍剤「トレアキシン点滴静注用25mg」(一般名:ベンダムスチン塩酸塩)の輸入および国内出荷を一時的に停止したことを発表した。
この対応は、アステラス製薬株式会社の連結子会社である「アステラスドイッチランドGmbH(供給元アステラス)」から輸入した25mg製剤において、外観不良が認められ、現時点において原因の特定に至っていないことによるもの。シンバイオは、患者の健康への影響を考慮し、25mg製剤の輸入を一時的に停止したとしている。
100mg製剤で代替、安定供給を確保
シンバイオは、供給元アステラスに対して、出荷される製剤の品質保証を行うことを強く要請。また、この事態に対応すべく、25mg製剤を100mg製剤で代替することで、トレアキシンの安定供給を確保するという。また、今後の対応については供給元のアステラスと協議中で、アステラスからの代替品による供給再開の目途が立ち次第、改めて報告するとしている。
トレアキシンは、殺細胞性の抗腫瘍薬。1970年代からドイツで使用が開始され、現在50か国以上で、低悪性度非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病などを適応として使用されている。2017年8月には、悪性リンパ腫の領域で最大の患者数をもつ再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を適応症とした第3相臨床試験を開始し、2018年11月に安全性の確認を主目的としたトレアキシン液剤(RI製剤:急速静注製剤)に対する治験を開始している。
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