横浜市立大学病院薬剤部は、今年3月から院内の医薬品使用指針としてフォーミュラリーを導入した。これまで同院は、後発品やバイオシミラーへの切り替えを先駆的に進めてきたが、高額な新薬が相次ぎ登場し、新たな経営改善策としてフォーミュラリーの導入を決断した。約1年かけて院内の合意を取り付け、プロトンポンプ阻害剤(PPI)の注射剤から開始。既に8薬効群で運用を進めているところで、特に経口剤のビスホスホネート製剤は地域フォーミュラリーへの展開を視野に入れた実績作りと位置づける。小池博文副薬剤部長は、「安価な薬を市民に提供していくのは公的病院の役割。価格を意識して、薬剤費の削減額が大きい生活習慣病治療薬にも取り組んでいきたい」と話している。
同院は、横浜市の公的大学病院として、これまでも薬剤費の削減に積極的に取り組み、後発品やバイオシミラーへの切り替えも先駆的に進めてきた。しかし、高額な新薬の登場やDPC制度の係数見直しにより、新たな経営改善策の一環として使用薬剤の優先順位を設けるフォーミュラリー導入の検討をスタート。最終的に病院執行部のトップ会議で承認を得た。昨年から先行事例を参考に薬剤部で準備を進め、フォーミュラリー作成部会を設置。第1弾としてPPI注射剤を選定し、薬事委員会の承認を得て、今年3月から運用を開始した。