開発中のヒト化抗IL-6受容体リサイクリング抗体
中外製薬株式会社は12月19日、承認された治療薬のない疾患である視神経脊髄炎関連疾患(NMOSD)を対象として開発中のヒト化抗IL-6受容体リサイクリング抗体「サトラリズマブ(開発コード:SA237)」について、単剤投与による第3相国際共同治験で主要評価項目を達成したと発表した。
第3相国際共同治験「SAkuraStar試験」は、NMOSDを対象として、サトラリズマブを投与した際の有効性および安全性を評価した、多施設共同第3相ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験。主要評価項目は、二重盲検期間における治験実施計画書に規定された初回再発(独立委員会により判定)までの期間。主な副次的評価項目は、疼痛用Visual Analogue Scale(VAS)スコアと、Functional Assessment of Chronic Illness Therapy(FACIT)疲労尺度スコアだ。
プラセボ群と比較して、再発リスクの統計学的に有意に減少
同試験の結果、サトラリズマブの定期投与によりプラセボ群と比較して、再発リスクの統計学的に有意な減少が確認されたという。また、同剤の安全性は、これまでに認められている安全性プロファイルと同様だったとしている。なお、詳細な結果は、今後開催される医学会にて発表される予定。
同社上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東康氏は、「既に発表されたベースライン治療に対する上乗せ投与試験の成績に続き、サトラリズマブが単剤でもNMOSDの患者における有用性を示すことが確認されたことを喜ばしく思う」と、述べている。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース