パーキンソン病患者の管理と運動症状の解析を目的に
武田薬品工業株式会社は12月18日、米Alphabetの子会社Verily社と、パーキンソン病患者の運動症状を測定するVerily社のウェアラブルデバイスである「Study Watch(R)」を用いた、日本人患者を対象とする共同研究の提携を開始したと発表した。
現在、国内では、約16万人がパーキンソン病の診断を受けているとされるが、症状に対する治療が進歩する一方、神経変性の進行を遅らせる介入療法は見つかっていない。そのため、患者の治療満足度は未だに低いというのが現状だ。今回の研究では、将来的にパーキンソン病の疾患管理に役立つツールを医療関係者に提供すること、パーキンソン病患者の運動症状を解析することを目的としている。
患者データを継続的に測定可能な医療検査デバイス
Study Watchは、Verily社とその提携先が実施する臨床研究で継続的に測定可能なデータを収集するための医療検査デバイス。生理的、環境的データを測定し、解析するための特殊なセンサー装置とデータを収集するためのクラウド基盤を備えている。多くのパーキンソン病患者から得られたバイタルサインや運動症状といった包括的データより、病態に関する新たな知見がもたらされ、将来的には効果的な介入療法の開発に応用できることが期待されている。
武田薬品ジャパンメディカルアフェアーズ部長のJovelle Fernandez M.D., Ph.D.,は、「症状の軽減や、進行を遅らせるための治療中の患者への理解を深めることは大変意義がある。同提携は、患者のためだけでなく、最終的に介護者たちの生活の質の向上にも寄与できると期待している」と、述べている。
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・武田薬品工業株式会社 ニュースリリース