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中外製薬が目指す、次世代の「医薬品安全性監視活動」とは

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2018年12月19日 PM02:00

従来通りの、法に基づき求められる最低限のPV活動から進化を

中外製薬株式会社は11月29日、都内で「 2.0~今求められる新たな医薬品の安全性監視活動」と題する報道関係者向けの説明会を開催。同社上席執行役員 信頼性保証ユニット長 兼 医薬安全性本部長の大箸義章氏、医薬安全性本部 安全性リアルワールドデータサイエンス部長の青木事成氏、医薬安全性本部 安全性コミュニケーション部長の吉田真氏がプレゼンテーションを行った。


中外製薬上席執行役員
信頼性保証ユニット長 兼 医薬安全性本部長
大箸義章氏

最初に登壇した大箸氏は、中外製薬の目指す安全性監視活動の未来について講演。同社は「薬の安全性について早く正確に情報を収集・解析し、顧客に届け、リスクを減らしていく」ことについて、Pharmaco(薬の)+Vigillance(監視)=PharmacoVigillance(PV:)という造語をキーワードに安全性マネジメントの徹底を進めるとした。「従来通りの、法に基づき求められる最低限のPV活動である”PV1.0″を進化させ、製薬企業の”使命”として行うPV活動”PV2.0″を目指していきたい」(大箸氏)

具体的な取り組みとして大箸氏は、各エリアの状況を踏まえ、安全性の専任担当者として注目すべき安全性情報の収集と速やかな適正使用情報の提供・浸透を図る「Safety Expert」の設置、患者特性に応じた安全性情報の提供をサポートする「調査DBツール」および「副作用DBツール」の運用開始、集積症例評価時の経時的な不均衡を数理的に把握した薬物相互作用等のレポートの自動化などを挙げた。

Patient Centric Approachの実現に向けて

続いて登壇した青木氏は、10,000を超える闘病記が登録されているwebサイト「TOBYO」との連携など、リアルワールドデータを活用したファーマコビジランス事例を紹介した。青木氏は「”薬害を無くそう”の気持ちを実現につなげるために、私たちはその方法論に挑戦し続ける」と語った。

最後に登壇した吉田氏は、患者を常に中心に据え、患者に焦点を当てた対応を行い、最終的に患者本人の判断を最大限に尊重するというアプローチ「Patient Centric Approach」に向けた同社の取り組みを紹介。患者中心の医療の実現について、「欧米を中心に、患者中心の医療・(Personalized Health Care:PHC)への変化が製薬企業にも強く求められてきている。これに呼応して、製薬企業も情報収集・提供の在り方を変えつつあり、医療機関と患者さんのコミュニケーションを製薬企業がより強くサポートすることが鍵となる」とまとめた。

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