■協和病院、東大など共同研究
統合失調症患者が退院して地域に移行する上で、どのような抗精神病薬の使用順序が費用対効果に優れているのか解析した結果を、村田篤信氏(協和病院薬剤科)、五十嵐中氏(東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学)らの研究グループがまとめた。3剤を対象に6通りの組み合わせを比較した結果、まずはアリピプラゾール(ARP)を投与し、次にリスペリドン(RIS)に切り替える治療戦略の費用対効果が高いことが明らかになった。実臨床データをもとに模擬的な解析を行って推計した。このような解析は日本では初めてという。
抗精神病薬の効果や副作用には、薬剤によって違いがある。統合失調症の再発率を抑制する効果や、地域への移行を推進する効果、副作用として錐体外路症状やメタボリックシンドロームが発現する確率は、薬剤ごとに異なり、それぞれ特徴がある。