増加する国内における心臓移植の待機患者数
日本メドトロニック株式会社は12月13日、重症心不全の治療に用いられる「植込み型補助人工心臓システムHVAD(TM)」の製造販売承認を取得したと発表した。
画像はリリースより
植込み型補助人工心臓は重症心不全の治療選択肢のひとつで、心不全症状の改善、退院、そして社会生活への復帰を目指す治療に用いられる。国内では心臓移植までの橋渡しの治療として保険収載されている。
国内における心臓移植の待機患者数は増えており、実際の移植数の伸びを上回ることから、待機期間が約3年と、諸外国よりも長い傾向にあり、植込み型補助人工心臓の需要も増えている。
小型ながら10L/分までの流量の循環補助が可能
「植込み型補助人工心臓システム HVAD」(HVAD)は米国、ヨーロッパほか、47の国において累計1万7,000例以上の患者に使用された実績がある磁気浮上型の遠心ポンプによる補助人工心臓。ポンプ内部のインペラ(羽根車)は磁気および流体動圧浮上原理により軸部と非接触であるため、血球成分へのダメージが低減されると期待されている。大きな特長として、容積は50cm3、重さ160g(ドライブラインを除く)と小型の補助人工心臓でありながら、10L/分までの流量の循環補助が可能。この小型で心膜内に植え込むことが可能なデザインは植込み手技を容易にし、同時に患者の身体への負担の軽減を目指している。
植込み後は、専用モニタによりポンプのリアルタイムの流量と消費電力を波形グラフで表示できるため、患者の状況変化の察知に役立てることができる。また、直近30日間の作動状況の推移を解析レポートとして出すことができ、医療機関でのフォローアップ時の情報として利用することが可能。
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・日本メドトロニック株式会社 プレスリリース