主要評価項目であるOS改善を達成せず
英アストラゼネカ社と、同社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンは12月7日、進行頭頸部がんを対象とした「イミフィンジ(R)」 (遺伝子組み換え、一般名:デュルバルマブ)とトレメリムマブ(遺伝子組換え)について、第3相EAGLE試験の結果、全生存期間(OS)を改善しなかったことを発表した。
EAGLE試験は、腫瘍のPD-L1発現を問わず、白金製剤を用いた化学療法後に病勢進行が認められた再発性または転移性頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)患者を対象にしたもの。イミフィンジ単剤療法またはイミフィンジと抗CTLA-4抗体であるトレメリムマブの併用療法を、標準化学療法と比較する多施設共同無作為化非盲検第3相試験。同試験は米国、欧州、南米、日本、韓国、台湾、イスラエルおよびオーストラリアを含む24か国169施設において実施。主要評価項目はOS、副次評価項目には無増悪生存期間、一定時点での生存患者の割合、客観的奏効率および奏効期間が含まれた。
2019年上半期の第3相KESTREL試験の結果に期待
試験の結果、イミフィンジ単剤療法またはイミフィンジとトレメリムマブの併用療法は、難治性患者において標準化学療法との比較で、主要評価項目であるOS改善を達成しなかったという。イミフィンジおよび同剤とトレメリムマブとの併用の安全性および忍容性プロファイルはこれまでに得られている結果と一貫していた。
アストラゼネカ社のグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーのSean Bohen氏は、「今回の結果は残念だが、当社は引き続き、頭頸部がん患者のためのイミフィンジやその他の革新的医薬品の可能性を評価することに注力し続けていく。当社は、2019年上半期の化学療法による治療歴のない再発性または転移性HNSCC患者を対象とするイミフィンジとトレメリムマブの第III相KESTREL試験の結果に期待している」と述べている。
なお、イミフィンジによる進行頭頸部がんに対する治療は日本未承認であり、トレメリムマブは日本未承認。同社は今後の国際学会において、EAGLE試験の結果を発表すべく、準備をすすめている。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース