中央社会保険医療協議会は12日、来年10月に予定される消費税率10%への引き上げに伴う薬価改定の骨子案を総会で了承した。今回、通常改定と異なる臨時的な改定と位置づけ、改定前薬価に108分の110を乗じた額を超えないことを明記。厚生労働省は、医療現場の負担や円滑な流通の確保に十分留意して改定に取り組むとしている。
中医協は、既に来年10月に実勢価を踏まえた上で消費税率を上乗せする臨時改定を実施する方向で合意しており、これまで薬価専門部会で議論してきた内容を骨子としてまとめた。具体的には、今回の薬価改定について、通常改定と異なる臨時的な改定と位置づけ、現行の薬価算定方式を基本に、改定前薬価に108分の110を乗じた額を超えないこととした。
新薬創出等加算については、実勢価改定の影響を補正するものであり、実施すると明記。4月の薬価改定以降、後発品の収載などにより、対象から外れた品目は加算の対象としないとした。累積加算額の控除は、市場実勢価から薬価の追加引き下げを行うルールであることから、2020年度の通常改定で実施することとしている。
基礎的医薬品は、実勢価改定と連動し、その影響を補正するルールについては適用し、具体的に18年度薬価改定で基礎的医薬品とされた品目に対して引き続きルールを適用することを明記。個別品目で全ての既収載品の平均乖離率以下の要件を満たさないものは対象から除外するとした。最低薬価ルールも適用するほか、後発品の価格帯を集約するルールも適用する。
改定時期については、中医協としては実勢価改定と消費税引き上げ分の転嫁を同時に行う方向を決定したものの、最終的には政府の予算編成過程で決まるとし、仮に同時の10月改定が行われない場合、異なる対応が必要な事項を速やかに検討、修正するとした。
その上で、厚労省は、今回の改定が年度途中の改定になることから、医療現場の負担や円滑な流通の確保に十分留意して改定に取り組むとしている。