共同研究の期間を2023年まで延長
エーザイ株式会社は12月6日、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)との共同研究の成果として最初の臨床候補品である「E2814」について、アルツハイマー病患者を対象とした臨床第1相試験の2018年度中の実施に向けて、準備を開始したことを発表した。
E2814は、UCLとの共同研究を通じて見出された抗タウ・モノクローナル抗体。同薬は、アルツハイマー病を含むタウオパチーに対する疾患修飾薬として開発され、タウ伝播種の脳内拡散を抑制する抗体として設計されている。
エーザイとUCLは、2012年から6年間実施してきた共同研究の期間を、さらに5年間、2023年まで延長することに同意。共同研究はエーザイのオープン・イノベーション戦略の要として位置づけており、共同研究を通じて得られた最新の研究成果を革新的な治療法として、神経変性疾患を有する患者に提供することを目的としている。
タウ伝播種を標的とするよう特徴的に設計されたE2814
アルツハイマー病は、アミロイドβ凝集体からなるアミロイドプラーク(老人斑)およびタウタンパクの脳内の沈着物から形成される神経原線維変化を特徴とする慢性進行性神経変性疾患。Tau Seed(タウ伝播種)は、病気の進行とともに脳内の異なる部位にタウ病変として拡散することが知られている。E2814は、このタウ伝播種を標的とするよう特徴的に設計されており、神経原線維変化のさらなる脳内蓄積を防ぎ、病気の進行を抑制することが期待されている。
認知症の患者数は、全世界で約5000万人と推計。世界の人口高齢化が進む中、認知症患者様は増加の一途をたどり、2030年には約8200万人、2050年には約1億5200万人に達すると予測されている。認知症への取り組みは世界的な課題であり、アンメット・メディカル・ニーズを充足する治療剤の早期開発が期待されている。
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・エーザイ株式会社 ニュースリリース