耐性変異がみられる変異型ALKにも効果が期待
ファイザー株式会社は11月20日、「ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の効能・効果で、抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤「ローブレナ(R)錠25mg、同100mg」(一般名:ロルラチニブ)を発売したことを発表した。
画像はリリースより
ALK融合遺伝子陽性の肺がん治療は、2012年の「ザーコリ(R)」の発売以降、合計3剤のALK阻害剤が発売され、治療選択肢が広がっている。一方で、遺伝子の耐性変異により既存薬で効果が得られなくなるといった治療上の課題が存在していた。ローブレナは、この耐性メカニズムに注目し創製された第三世代のALK阻害剤で、耐性変異がみられる変異型ALKにも効果が期待される薬剤。臨床試験において、既存のALK阻害剤に抵抗性または不耐容のALK陽性NSCLCに対する臨床的に意義のある抗腫瘍効果と、忍容性が示された。
「医薬品の条件付き早期承認制度」に適応された薬剤
ローブレナは、昨年10月に導入された「医薬品の条件付き早期承認制度」の適用を受け、優先審査の対象として、約8か月間の審査期間を経て、9月21日に世界に先駆けて日本での承認を取得。米国においては、米国食品医薬品局(FDA)より画期的治療薬(ブレークスルー・セラピー)および優先審査に指定され、2018年11月2日に承認を取得した。
なお、同剤においては現在、第3相CROWN試験(NCT03052608)が進行中。同試験には、ALK陽性転移性NSCLCに対するファーストライン治療薬としてのローブレナをザーコリと比較する非盲検無作為化群間比較試験で日本国内の施設も参加している。
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