■服薬情報提供書も運用開始
人口130万人を擁する大都市、埼玉県さいたま市で地域ぐるみの薬薬連携が急速に進んでいる。公設民営のさいたま市民医療センターと地元のさいたま市薬剤師会は、事前に取り決めた項目について院外処方箋の発行時に疑義照会不要とする合意書を締結し、疑義照会不要時の連絡については、市薬剤師会が作成した統一様式の服薬情報提供書(トレーシングレポート)を用いる運用を来月から開始する。同センターでは、昨年9月から院外処方箋への検査値表記を開始。来月には疑義照会不要の運用と共に、FAXコーナーを設置して面分業を後押しする方針で、矢継ぎ早に地域連携の取り組みに着手している。大都市の医療を支える基幹病院と市薬剤師会の323薬局が地域で統一したプロトコルに基づき、本来業務に集中することにより、地域全体の医療の質向上につなげたい考えだ。
市薬剤師会が基幹病院と疑義照会不要の合意書を交わすのは、昨年のさいたま赤十字病院に続き2件目。疑義照会を不要とするのは、▽成分名が同一の銘柄変更(変更不可の処方を除く)▽内用薬の剤形の変更▽内用薬における別規格製剤がある場合の処方規格の変更▽無料で行う半錠、粉砕あるいは混合▽無料で行う一包化調剤▽貼付剤や軟膏類の包装・規格変更▽その他合意事項――の7項目。