ベネトクラクスとオビヌツズマブ併用療法と標準治療を比較
米アッヴィ社は10月31日、慢性リンパ性白血病(CLL)の治療薬として、ベネトクラクスとオビヌツズマブ併用療法とオビヌツズマブとクロラムブシル併用療法を比較する第3相無作為化試験「CLL14」の良好な結果を発表した。詳細なデータは今後、医学学会で発表する予定。
CLL14は、併存疾患があり、治療歴のないCLL患者を対象にベネトクラクスとオビヌツズマブ併用レジメンの有効性および安全性を、標準治療であるオビヌツズマブとクロラムブシル併用レジメンと比較する前向き多施設共同非盲検無作為化第3相試験。ベネトクラクスとオビヌツズマブ併用療法では、ベネトクラクスの12か月一定期間の投与とオビヌツズマブの6サイクルの投与を併用した。同試験には445例の患者が登録し、患者はいずれもInternational Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia(iwCLL)の規準に従った治療歴のない患者だった。主要評価項目は、iwCLLの規準を適用し、治験担当医師の評価に基づく無増悪生存期間とした。
治験担当医師の評価による無増悪生存期間を達成
試験では12か月の一定投与期間で、主要評価項目である、治験担当医師の評価による無増悪生存期間を達成。また、予備解析おいて、ベネトクラクスとオビヌツズマブ併用投与時の安全性プロファイルは、各薬剤を単剤療法とする投与時の安全性プロファイルと一致することが示唆されているという。
ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質に対し、選択的に結合および阻害するファーストインクラスの薬剤。いくつかの血液がんおよび他のがん腫瘍ではBCL-2が過剰発現し、アポトーシスと呼ばれる、がん細胞の自然死または自己破壊の過程を阻止する。ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質を標的としており、アポトーシスの過程を回復させる作用がある。
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・アッヴィ合同会社 プレスリリース