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パーキンソン病のiPS細胞治療に関する医師主導治験、第一例目の移植実施-CiRA

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2018年11月13日 PM02:45

ドパミン神経前駆細胞に分化させたiPS細胞を移植

京都大学iPS細胞研究所()は11月9日、「iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いたパーキンソン病治療に関する医師主導治験」における第一症例目の被験者に対し、ヒトiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞の細胞移植を行ったと発表した。


画像はリリースより

使用した細胞はCiRAで作製された「再生医療用iPS細胞ストック」をドパミン神経前駆細胞に分化させたもの。iPS細胞にいくつかの試薬を加えてドパミン神経前駆細胞を誘導し、さらに未分化な細胞やドパミン神経以外の細胞をセルソーティングという手法で除去。最後に直径約300~400μmの細胞塊とし、その細胞塊を移植する。この製造工程で、ドパミン神経前駆細胞ができているかどうか、未分化細胞が残っていないか、がん化に関連した遺伝子異常はないか、細菌などが混じっていないかなどについて厳しくチェックする。作製期間は、約2か月。手術当日は、培養状態の細胞塊を、温度を一定に保てる運搬容器に入れて、CiRAから京大病院手術室まで運んだという。

合計約240万個の細胞を合計12箇所に注入

移植術は、定位脳手術という方法で行われた。最初に被験者に全身麻酔を施し、頭部に「フレーム」という、目盛りが刻まれた機器を取り付ける。これを装着したままで頭部CTを撮影し、定位脳手術用のプランニングソフトを用いることで、あらかじめ術前のMRIで検討しておいた標的(ターゲット)と、そこに到達するまでの刺入経路(トラジェクトリ)を、実際の患者で実現できるようになるという。

まず頭蓋骨(前頭部)に直径12mm程の穴を開け、プランニングソフトで算出された座標と方向に基づいて細胞注入用の針を進めた。目標点に到達後、あらかじめ決定しておいた方法で細胞を注入した。また、刺入経路ごとに細胞を準備。針の穿刺を行うごとに、その都度必要分の細胞を遠心分離機にかけて上澄みを除去し、専用の注射器に充填し、被殻と言われる部分に片側あたり合計約240万個の細胞を注入(移植)。3本の刺入経路を用いて1本の刺入経路あたり2mm間隔で4箇所、合計12箇所に注入した。

手術時間は、移植細胞を準備する時間も含め3時間1分。10月に京大脳神経外科の菊池隆幸医師ら他2名によって行われた。

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