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薬局機能に応じた報酬が焦点-健保連・幸野理事、次回改定に向け私見提示

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2018年11月07日 AM10:30


■リフィル処方箋の実現にも意欲

中央社会保険医療協議会支払側委員の幸野庄司氏(健康保険組合連合会理事)は3日、大津市で開かれた近畿薬剤師学術大会で講演し、次回調剤報酬改定の見通しについて「オンラインによる服薬指導と、薬機法の改正が大きなポイントになる」と私見を提示。薬機法改正に向けて「薬局を機能で分類する考え方が出ている。機能に対応した調剤報酬を考えることになるのではないか」と語った。このほかリフィル処方箋などの実現について「引き続きやっていきたい」と意欲を示した。

幸野氏は、現在進められている薬機法の改正に向けた議論の結果が「次回診療報酬改定に影響を与える」と言及。「私なりの理解では、地域貢献機能、高度薬学管理機能というように薬局を機能で分類し、その機能に対応した調剤報酬を考えるのではないか」と述べ、「現在は調剤基本料1とか2とかいう分類になっているが、もっと大きな機能で分類する方向になるのではないか」などとした。

このほか「前回の調剤報酬改定の議論で積み残したことも多い」と強調。▽リフィル処方箋の実現▽医師によるジェネリック医薬品変更不可指示の撤廃▽医師の許可を必要としない薬局での残薬調整の実現――の3点を示し、「次回改定に向けて引き続きやっていきたい」と意欲を語った。

特に、リフィル処方箋に関して「看護師や薬剤師とタスクをシェアすれば医師の負担は楽になる。長期にわたり安定している患者について毎回医師が処方するのでなく、薬剤師が管理するリフィル処方箋を実現することも、医師の働き方改革の一つ」と投げかけた。

一方、医薬分業バッシングの要因について幸野氏は「本来は、医師と薬剤師がそれぞれの専門性を発揮し医療の質の向上を図るものだが、医師の処方権と薬剤師の調剤権が同等でないために、門前に薬局をつくるようになってしまった。それが今のバッシングにつながっている」と指摘。

処方箋応需による調剤が薬局の主業務になってしまったために「国民のセルフメディケーションの意識を失わせてしまった。少しでも調子が悪いとすぐ医師にかかるようになり、ファーストアクセスの場が薬局から医師に代わった。これが医薬分業の一番の罪だと思っている」と語った。

こうしたいびつな形でも「薬局の経営が成り立つ調剤報酬をつくってきたことに行政の罪がある。大型門前薬局、大型チェーン薬局、敷地内薬局が儲かる仕組みをつくったことに大きな責任がある。それを是正する必要がある」とし、「今後は薬局の付加価値に対応した調剤報酬の設定が必要ではないか」と呼びかけた。

 

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