早期発見が困難な卵巣がんの鑑別補助診断に
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は11月1日、卵巣がんの鑑別補助診断に用いられる腫瘍マーカー、ヒト精巣上体タンパク4(HE4)を迅速測定する「エクルーシス試薬HE4」を、11月2日付けで発売すると発表した。
画像はリリースより
卵巣がんは年間約1万人が新たに罹患し、死亡者数は年間約5,000人と推計されている。初期症状がほとんどないため、早期発見が難しく、進行した状態で見つかることが多い。良性腫瘍との鑑別が難しいこともあり、手術によって採取された組織検体による病理検査が確定診断に用いられるが、血液検査で測定された腫瘍マーカーも鑑別補助診断に活用されている。
微量検体でHE4を18分で自動測定
HE4は、卵巣がんの患者で高値を示すとともに、子宮内膜症などの良性疾患や妊娠などでは上昇することが少ないマーカー。卵巣がんの腫瘍マーカーとしてはCA125が知られているが、感度が高い一方で、良性疾患や炎症性疾患でも上昇し、月経周期や妊娠で変動する。HE4はCA125とは相関性がないため、2つのマーカーを組み合わせて使用することで、卵巣がんの鑑別に有用な指標(ROMA Index=Risk of Ovarian Malignancy Algorithm)となることが期待されている。
エクルーシス試薬HE4は、電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)を測定原理とする、同社の自動分析装置「コバス8000」、「コバス6000」、「コバスe411」および「モジュラーアナリティクス」を用いて自動測定が可能。使用機種によるが、6μLまたは10μLという微量検体で、HE4を18分で測定する。同製品は開封後4週間または16週間、自動分析装置上で安定性を保つため、検体数が少ない医療機関の検査室にも対応可能だ。
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・ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 プレスリリース