■薬価改定も3社が上方修正
国内製薬大手4社の2019年3月期中間決算が出揃った。アステラス製薬とエーザイは増収増益、武田薬品も特殊要因がなければ増収となり、降圧剤「オルメサルタン」の特許切れで業績の底にある第一三共を除いた3社が、通期売上・利益予想の上方修正を行った。武田は最終減益から一転して増益、アステラスは減収から横ばいへと期初予想を見直した。両社の海外売上比率は70%水準に達しており、国内で薬価制度の抜本的改革が実施される中、想定よりも健闘した。
表:国内製薬大手4社の2019年3月期中間決算(単位:百万円、▲はマイナス)
武田は、抗癌剤「ベルケイド」の物質特許満了による売上減や武田テバへの長期収載品の売却による影響で0.1%の減収となったが、特殊・外部要因を除いた実質ベースでは4%増収となった。薬価改定が行われた日本においても実質で4%増、米国で6%増、欧州・カナダで6%増、新興国で2%増と全ての地域で増収となった。