中央社会保険医療協議会は10月31日、薬価専門部会を開き、来年10月に予定される消費税率10%への引き上げに伴う薬価改定をめぐって議論をスタートさせた。最大の焦点である改定時期について、厚生労働省は、来年10月に実勢価を踏まえた上で消費税率を上乗せすることが自然としつつ、改定後の実勢価を2020年度改定に反映できない課題を論点に提示。診療側は、実勢価に消費税率分を上乗せする臨時改定の方向性に賛同した。支払側も「臨時改定と位置づける来年10月改定は妥当」と同調する意見が大勢を占めたが、幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「データの精緻化が必要」として来年4月の前倒し実施を主張。支払側で意見が分かれた格好だ。年内に骨子案をまとめ、総会に報告する予定。
■幸野委員は4月実施を主張
消費税率10%引き上げ対応の薬価改定をめぐっては、17日の中医協総会で製薬業界からも「あくまで増税対応」として来年10月実施が強く要望されていたが、この日の薬価専門部会では、消費税対応の薬価改定の骨子取りまとめに向けた議論がスタートした。