米国腎臓学会「Kidney Week 2018」で報告
アステラス製薬株式会社と米FibroGen社は10月30日、共同で開発を進めているロキサデュスタット(開発コード:ASP1517/FG-4592)について、透析期の慢性腎臓病(CKD)に伴う貧血患者を対象として日本で実施した2つの第3相試験(1517-CL-0302および1517-CL-0307)のデータが、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催された米国腎臓学会(ASN)のKidney Week 2018において報告されたことを発表した。
1517-CL-0302 試験は、多施設共同、24週間の無作為化、非盲検第3相試験で、日本人の腹膜透析患者におけるロキサデュスタットの有効性と安全性を評価した。
同試験では、腹膜透析期のCKDに伴う貧血患者を、登録前の赤血球造血刺激因子製剤(ESA)の治療歴に基づき2つのグループに分け、56症例の患者(ESA未治療患者群:13症例、ESA既治療患者群:43症例)が組み入れられた。その結果、ロキサデュスタットの投与により、ヘモグロビン(Hb)値が目標範囲内に維持され、ロキサデュスタットの良好な忍容性が確認された。
両試験の安全性プロファイル、これまでの試験結果と一致
1517-CL-0307試験は、多施設共同、24週間の無作為化、二重盲検、ダブルダミー、ダルベポエチンアルファ対照第3相試験。遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤(rHuEPO)またはダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)製剤による治療歴を有する血液透析期のCKDに伴う貧血患者を対象として、ロキサデュスタットの有効性および安全性をダルベポエチンアルファと比較して評価した。
同試験には、rHuEPOまたはダルベポエチンアルファ治療から切り替えられた12週間以上の血液透析を受けている日本人のCKDに伴う貧血患者を組み入れた。303名の患者が、ロキサデュスタット群(151症例)もしくはダルベポエチンアルファ群(152症例)に無作為に割り付けられた。その結果、ロキサデュスタットは血液透析期の患者においてHb値を10-12 g/dLの範囲で効果的に維持し、ダルベポエチンアルファに対する非劣性が確認された。
なお、両試験において、安全性プロファイルは、これまでのCKD患者群を対象とした臨床試験で認められた結果と一致したとしている。
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