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AIにより小腸粘膜傷害を高精度に検出する内視鏡画像診断支援システム開発-東大病院ら

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2018年10月30日 AM10:30

大量の画像読影が負担、病変の見逃しなども危惧

東京大学医学部附属病院は10月26日、人工知能()を活用し、小腸カプセル内視鏡画像の中から粘膜傷害(びらん・潰瘍)を高精度で自動検出する内視鏡画像診断支援システムを開発したと発表した。この研究は、同大病院消化器内科の青木智則医師(大学院生)、山田篤生助教、小池和彦教授らのグループが、株式会社AIメディカルサービスと共同で行ったもの。研究成果は、米内視鏡医学雑誌「Gastrointestinal Endoscopy」オンライン版に掲載された。


画像はリリースより

薬や炎症による粘膜傷害は、胃や大腸だけでなく小腸にも起こる。小腸はカプセル型の内視鏡を用いて見ることができ、粘膜傷害は最も高頻度な異常である。しかし、1患者あたり6万枚程度の内視鏡画像を30~120分かけて読影するのは、読影者にとって大きな負担であり、病変の見逃しも危惧される。病変自動検出システムがあれば、これらを軽減できる可能性がある。

びらん・潰瘍を91%の精度で正診、解析速度も人間以上

今回研究グループは、最先端のAI技術であるニューラルネットワークを用いたディープラーニングを活用し、小腸のびらん・潰瘍が写った5,360枚の内視鏡画像をAIに学習させ、病変検出力を検証した。その結果、検証用の内視鏡画像1万440枚から、びらん・潰瘍を91%の精度で正診することができたという。また、1万440枚の画像の解析に要した時間は233秒であり、解析速度は人間の能力をはるかに超えるものだった。さらに、読影医が正常小腸と判断した1万画像のうち、3画像内にびらんを新しく見つけたという。

カプセル内視鏡画像にはびらん・潰瘍のみならず、がんや血管異常といった病気も写る。研究グループは今後、これら多種類の異常を一度に検出するシステムの開発に取り組むとしており、小腸病変検出を支援するカプセル内視鏡診断支援システムの実用化を目指すとしている。

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